○○クリニック
2007年1月新年号掲載

口を大きく開ける際に、音がして痛みもあります。

「20歳の女性ですが、数ヶ月ほど前くらいから、口を大きく開けるようなときに音がするようになりました。最近はあまり気にならなかったのですが、しばらくすると音が出る際には、あごに痛みも感じるようになりました。これは顎関節症と言う病気なのでしょうか。そして、どこの診療科でみてもらうべきか教えてください。」

顎関節症とは、開口障害、顎関節部疼痛、顎関節部雑音の3つの症状をもつ疾患です。顎関節症に限らず、疼痛の発生原因は骨・関節に起因するものや神経圧迫によるものなど様々ですが、いずれにしても患者が表現する疼痛感覚は何らかの侵害刺激に対して身体が反応している状態、つまり身体組織の構造や機能が正常から逸脱していることを知らせるサインととらえる必要があります。

1)函館市内の開業歯科来院患者への顎関節症についてのアンケート

10年ほど前になりますが、函館で開業している歯科医4,5人で勉強会をしていたころ、顎関節症についてそれぞれの患者さんに、アンケート調査をしたことがありました。

歯科治療を希望して来院している患者さんで、特に顎関節に異常はない36名の方を対象としました。

その中の調査で、顎関節部に痛みや、口が開けずらい経験を持つ方が、15%から20%の方に予想した以上に多く見られ驚きました。そしてこのような顎関節の異常を感じた場合に受診しようと思う科は、整形外科が50%で、残念ながら歯科を受診しようと思われた方は3割ほどでした。おそらくは、このような症状を感じてすべての方が治療を受けていないと思われますが、歯科以外の科で見てもらおうと思われる方が、7割であったのだろうと想像されます。また、顎関節症と言う言葉を知っている方は15%ほどしかいなく、顎関節部に異常を感じても顎関節症という言葉で表現する方はほとんどいないと考えられました。しかし、かみ合わせが悪いと顎関節や肩が痛くなるあるいは肩がこった経験を持つ方は33%と非常に多くの方が歯と頚部から顎関節部の異常を自分自身で関係付けていることが伺えました。また音を感じた方は33%も居られました。

頚部から顎関節部の異常の原因は、さまざまですが、このように、原因が歯に関係していることを考えられる方も少なくありません。

顎関節症のうち、原因として歯や咬合が、強く関与している割合が、70%くらいあると言われております。従いまして、歯科を中心に考える必要のある疾患のひとつと考えられます。